小児喘息とペットの関係

小児喘息になると、子供の健康のためにペットを手放す事を考える場合もあると思います。

ですが、手放す前に何が重要か考える必要があります。子供の病気のために本当に手放すべきなのか悩んでいる方のために今回はペットと小児喘息の関係を紹介いたします。

実は、細菌の研究の結果では、ペットを飼っている人は飼っていない方に比べて、小児喘息のリスクが高くなると言った研究結果が出ています。

その原因は何かご存知でしょうか?実は、小児喘息の原因はアレルギーによって引き起こされることが多いからです。

その要因として、ペットがいるだけで増えるアレルゲンとしては、ダニ、動物の毛、糞といったものから餌のカスまで増えることになります。

ダニと動物の毛に関しては判りますが、糞や餌のカスまでは意外と考える方も多いのでは無いでしょうか?動物の糞や尿には多くの微生物が住むようになります。

その結果、まめに掃除を行わないとアレルゲンになってしまうのです。

実はアレルゲンの原因となっているのは、ペットの毛が重要ではなくて、ダニや糞と言ったものが一番の原因になります。

生まれ持って動物に対してアレルギーを持っているのはほとんどいないのです。

つまり、ペットによって小児喘息が確実に起こる要因にはなっていないのです。ここで、興味深い話があります。

毛を全部刈った種類の犬や猫を飼育した場合、小児喘息の症状が悪化するとかどうかといった研究が行われましたが、有意差は無かったようです。

ペットを飼うのは良いけれど、引き起こすアレルゲンが無ければ支障が無いということが判ります。

ですが、逆にそこまでできないのであればペットを飼うことは推奨できないということになるのです。

また、子供のアレルゲンがペットでない場合は、飼育することは可能です。

小児喘息と聞くとアレルゲンであると言われているペットが邪魔と考えてしまい絶望される方が多いですが、この文章を読んで参考になれば幸いです。

小児喘息はこの20年で確実に増加傾向にあると言われています。ガイドラインには小児喘息の危険因子として「猫や犬のアレルゲン」と記載されており、猫や犬との生活によって小児喘息の症状を悪化させる可能性が指摘されています。

現在では、子供の数よりペットの数の方が多いといわれています。ペットフード工業会の調査によると日本国内の犬猫飼育頭数は約2,168万頭であり、総務省が2007年4月1日に発表した子供(15歳未満)の数は約1,738万人という推計データが出ています。

つまり、これまで以上に小児喘息におけるペットとの関わり方が問題視されてくる可能性があるかもしれないということです。

そこで、ペットのアレルギーについて理解を深めることによって、喘息でもペットと生活したいと望む方への道しるべとなれば幸いです。

本当に猫や犬の「毛」が問題なのか?

小児喘息の最も重要な原因因子として、室内アレルゲン(室内塵ダニ、ペット、カビ類)や屋外アレルゲン(花粉、カビ類、昆虫類)などの吸入アレルゲンがあげられます。

一般的に動物の毛が問題となると認識されていますが、実はアレルギー反応の主要な原因は毛だけではなく、動物の垢(あか)や古い細胞(角化細胞)のフケです。

また、猫の主要アレルゲンは「Fel d 1:( Felis domesticus allergen 1)」というアレルギー反応誘発物質で、すべての猫で見出されます。この「Fel d1」は、皮膚の皮脂腺や唾液、涙腺、尿、肛門嚢の分泌中でも産生されます。

猫アレルギーのヒトが全身毛刈りをした猫やスフィンクスと接触しても同様の症状がでることも理解できます。

唾液腺で「製造」された「Fel d1」は猫がグルーミングすると毛の表面にコーティングされ、さらに猫が物に対して皮膚を擦り付けるため環境に広がります。

猫アレルギー患者は、猫を抱っこしなくても、猫がいる部屋に入るだけで症状が出ます。

これは、乾燥して剥がれ落ちたフケが空気中に舞っているためで、床に付着したり、家具やベットに広がります。

逆に説明すると、ペットに対するアレルギー反応を引き起こす為には、たくさんの動物のフケは必要なく、少量で長期間空気中に浮遊している量で十分であるということです。

動物が数週間でさえ家にいれば、アレルゲンは長期的に検出され、アレルギー反応を引き起こすのに十分なフケが空気中に浮遊しているのです。

特に、猫主要アレルゲン( Fel d 1)は猫の居ない家庭でも空気中に検出されることがわかっており、例え自宅に猫がいなくても猫アレルギーを引き起こす可能性があると言われています。

フケはとても小さく軽いので、外出先や職場で衣服に付着した猫抗原(略してネコウゲン)が持ち込まれることも考えられるからです。

動物のフケは、例えば小学校の教室や職場など多くの公共の場所にアレルギー反応を引き起こすだけの量が存在します。

もしペットが住んでいた家に入居したとしても、猫が原因となって起こっている症状を減らすには、数ヶ月は必要です。

一方、犬の主要抗原は「Can f1」と呼ばれています。犬を飼っている全ての家で、また飼っていない家でも検出されます。

犬でも唾液や尿がアレルゲンとして影響します。その他、ダニ(Der p 1、Der f 1)やゴキブリ( Bla g 1 and Bla g 2)に加えて、マウス抗原(Mus m 1)、ラット抗原 (Rat n 1)、カビ抗原(Asp f 1 and Alt a 1) もアレルギーの増悪因子となっている可能性があります。

喘息の息子がどうしてもペットを飼いたいという場合はどうすればよいか?

例え自身や子供がアレルギーであっても、それ以上にペットとの生活を望む方もいらっしゃいます。

アレルギー検査をして、動物のフケに対するアレルギー反応の有無を検査し、陽性だった患者がペットを飼っている場合、医師に「ペットが家にいる限り、アレルギー反応を抑えることは難しい」とキッパリ言われても、可愛いペットを手放すことには躊躇する気持ちも理解できます。

日本アレルギー学会では、「アトピー体質を持つ小児のペット飼育は推奨できない」と報告していますが、欧米では、逆に、「幼児期のペットとの生活が、将来アレルギーになるリスクを下げる」と報告され、それを裏付ける疫学調査結果も多数報告されています(参考文献参照)。

アレルギーや喘息の子供達が非常に多く、その理由の一つに「清潔過ぎる生活」が指摘されています。

猫や犬の口の中にはバイキン(グラム陰性菌)が一般的に存在することが分かっており、子供たちが、動物たちに舐められたりすることにより、そのバイキンの毒素(エンドトキシン)に暴露され、アレルギーが起こりにくい体質に免疫システムがシフトされると考えられているため、動物と生活する子供たちがアレルギーのリスクが少なくなるという説もあります。

つまり、猫アレルギー患者に対して、単に猫を避けることだけが対策ではないということです。そこで、ペットとの生活を継続させながら、症状を緩和するための最良の方法を模索する必要があります。

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